「敵基地攻撃能力」は、「反撃能力」と言い換えても、攻撃準備に入った他国の施設等を攻撃する能力ということで、つまりは、先制攻撃をする能力ということでもあり、それを持つことになれば、軍備を増強する国や敵対的な行動をとるような国などとの間の緊張感を高めかねません。
もちろん、敵対的な行動をとるような国があり、万が一の場合に備える必要があるとの認識は否定しません。各国で宇宙・サイバーといった軍事技術の開発等が進む中で、日本においても、そうした技術を活用した弾道ミサイルの脅威等への対応をはかるための技術力と防衛力の整備は必要です。
しかし、軍備を増強する国や敵対的な行動をとるような国と対するとしても、軍事力(日本においては防衛力)だけでそれを抑止することはできないはずです。何よりも大切なのは、外交です。対話の積み重ねや国際的な協調をつくっていくことに徹底的に努力するべきです。対話や外交がうまくいかなかった末に戦争が起きてきた…そうした過去の教訓や事例を学び、外交努力を徹底するべきです。
そのような考えから、敵基地攻撃能力(反撃能力)や核シェアリングを検討する必要はなく、「こちらから攻撃することはない」という姿勢、つまり、日本が守ってきた防衛戦略における基本的姿勢である「専守防衛」を堅持していくことが極めて重要だと考えています。
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2022年7月2日 |
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